そうめんの名産地・南島原

南島原は、全国でも有数のそうめんの名産地です。

平成12年(2,000)の産地偽装表示が社会問題となり、その改善が行われるまで、実に多くの島原素麺が全国でもそうめんの産地として名高い三輪素麺へ送られ、そのまま三輪素麺として販売されていました。

それから「島原そうめん」として自らの名前で歩まざるをえなくなったのですが、古くよりここ島原ではそうめんが製造されていました。

島原そうめんの発祥には二つの説があります。

一つは、小豆島からの伝来です。時を遡ること1636年(寛永14年)、島原の乱(宗教一揆)後、付近一帯の住民がいなくなりました。これにより徳川幕府は移民政策をとり、全国の各地から島原に人が集められました。その政策で小豆島から移ってきた人達によってそうめんの技法や技術が伝えられたことにより、そうめん作りが始まったといわれています。

そしてもう一つは、中国(福建省)からの伝来です。約400年ほど前に中国福建省から長崎にやってきた人々によって、その製造技法が南島原一帯に伝られたというものです。今でも福建省福州市には、南島原市に昔から伝わるこね鉢などの道具が使用されています。

いずれの発祥にしましても、南島原の地は豊かな自然環境に恵まれており、小麦粉(当時)、水、塩などそうめん作りに適した地でしたので、その歴史が途切れることなく、伝統の職人技が麺師から麺師へと受け継がれています。

麺のコシ、もちもちとした食感、つるつるとしたのど越しが特徴的な島原手延そうめんを、どうぞ何度となくご賞味いただければと思います。